沖縄県・尖閣諸島の久場島(くばじま)北北西約12キロの日本領海内で7日午前10時15分、操業中の中国漁船を海上保安庁の巡視船「よなくに」(1349トン)が発見、領海外へ退去するよう警告した。漁船は逃走し、よなくにに接触後、56分には同島北西約15キロの領海内で、巡視船「みずき」(197トン)にも接触した。その後、領海外へ逃走したが、みずきが強行接舷し、乗組員が停船させた。第11管区海上保安本部(那覇市)は、海上保安庁法(立ち入り検査)に基づき立ち入り検査し、船長について検査を妨害した公務執行妨害容疑で逮捕する方針。
海保によると、立ち入り検査を受けているのは大型トロール漁船「※晋漁5179」(166トン)。同日午後0時56分、同島の北北西約27キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で停船させた。
よなくに船尾付近の左舷側に漁船の左舷の船首が接触。よなくには、ヘリコプターが着船する甲板の支柱が折れた。みずきは停船を求めて並走中、漁船が接触し、右舷にへこみ(高さ約1メートル、幅約3メートル)ができるなどした。
漁船の船籍は中国・泉州で、船員は男15人。全員中国人と話しているという。
外国籍の漁船による不法操業は、日本の領海内では外国人漁業の規制に関する法が、EEZではEEZにおける漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法が適用される。
現場海域はカワハギやカツオの漁場で、第11管区は巡視船4隻、ヘリコプター1機で不法操業の事実確認を進めている。海保によると09年までの過去5年に、東シナ海を含む日本の領海・EEZで中国籍の漁船3隻、台湾の漁船6隻が不法操業で検挙されている。【石原聖】
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