大田区のケースでは、生きていれば104歳になる三石菊江さんとみられる白骨化遺体が、無職の息子(64)の部屋から見つかった。三石さんと息子は文京区で暮らしていたが、01年6月に三石さんが死亡後、借地代が払えなくなり、息子は04年5月に大田区に引っ越した。この間、息子は計約120万円の年金を受け取っていた。
息子は日舞の師範で生計を立てていたが、三石さんが死亡した当時の収入は月数万円だったという。今は家賃3万円の古びた狭いアパートで暮らす。警視庁蒲田署に「悪いとは思っていたが年金を受け取った。生活の糧だった」と不正受給を認めている。加藤さんの事件を受けて12日に区職員が訪問した際には「母は新潟にいる」などと偽ったが、「いつかはばれるだろうと思っていた」という。
蒲田署によると、息子の日記には「薬代がかかるので大丈夫と言われた」と、三石さんが財政的な理由から病院に行くのを嫌がったことをうかがわせる記述もあったという。
三重県のケースでは、80歳の母親に食事を与えず死亡させたとして、県警は12日、熊野市の無職、桐本行宏容疑者(56)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。親族から「1年以上姿を見ていない」と市に相談があり、警官が母親の自室から一部白骨化した遺体を発見した。桐本容疑者は周辺に「入院している」「奈良の施設にいる」などとうそを言い、母親の死を隠していた。
桐本容疑者は調べに「面倒をみるのが大変になった。年金を受け取るため、死んだことを届けなかった」と供述しているという。【川崎桂吾、大野友嘉子】
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